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まちおこしと写真

 

<枚方女子展開催のきっかけ>

*不景気を実感

 京都から枚方へ転居してずいぶん経ちました。

 枚方市は京都と大阪の中間地点にある衛生都市で、大都市などとくらべると産業も観光も規模は大きくなく、他市から人がたくさん流入して消費したり働く地域ではありません。

 そういう背景のもと、年々急速に地域が疲弊していると肌で実感します。統計を調べると、個人商店の減少が非常に激しいこともわかりました。バブル崩壊後、一向に疲弊が止まってないようです

 枚方で知り合った事業者の方からも、厳しい状況を聞いています。国や自治体で施策がおこなわれていても、なぜか苦労して生活や事業している市民がたくさん…。

 また経済面だけでなく、コミュニティーも壊れ続けています。枚方市は古くからの地域が点在し、長く済み続けている人も多いですが、住民どうしのつながりは弱まり、住民相互の関心やかかわりも薄れている感じがします。また街全体の雰囲気にうっすらと荒廃を感じます
 

 上記の状況から、景気が悪いときにどうすれば住民全体の幸福感が高まるのか?どんな地域振興策がほんとうに必要なのか?疑問を抱いたのがきっかけで「まちおこし」に関心を持ちました。

 


*地域振興の可能性

 国全体で市場経済至上主義、規制緩和で突き進んでいますが、一部の大手企業や大都市部を除くと全国的に衰退していると思います。そんな国で枚方だけ、交野だけ、うまくいくことは考えにくい。

 それでも工夫次第で、地元経済は改善できるはず。また経済面以外の施策を組み合わせることで、住民の幸福感や安心感は高まる思います。


 まちおこしに大事だと思うこと。
 1、地域全体の公共意識が高まる
 2、市民全体の幸福(一部の人だけでなく)
 3、コミュニティーが育まれ、他人への感心が高まる
 4、持続可能性がある政策
 5、地域内における経済循環の活発化

 最近はどの自治体でも「財政難」「効率化」「コスト削減」といった言葉で、まるで民間企業のように金銭ばかり問題にします。財政も大事ですが、自治
体は民間企業ではないので、お金以外のことが大事。

 役所・議会では、どれだけ公共性ある議論が行われているでしょう

 地域への無関心は、周囲の人への無関心とリンクします。「さまざまな人たちが共にしあわせに暮らす」という公共性の理想を再確認することが、地域振興の出発点です。
 



*イベント的発想の限界

 コストカットが叫ばれる一方で、全国的に(安易に思える)まちおこしイベントが増えています。自治体も経済団体も盛んにイベントを開催する時代になり、「イベント化社会」と言えそうな状態です。
 しかしイベントは地域全体にどのような効果があるでしょう。イベントは街の雰囲気づくりといった効果があります。でもどのくらい継続的な経済効果があるか、そしてどの市民層にどのくらい効果が及んでいるか。

 つまりイベント自体が「コスト化」していないか冷静な検証が必要です。
 

 地域の安定的成長には、持続可能性は大事なポイントで、「地産地消」「バイ・ローカル」といった言葉があるように、地域でお金が循環すれば着実な経済効果が見込めます。短期的利益やイベントで盛り上がっても、地域経済の向上に至るのは難しいでしょう。

 地域振興の手法も検証が必要です。
 

 地域経済循環は市民の意識に拠ります。市民が地元経済、地元商店や企業に関心をもち、行政に関心を持ち、みんながともに地域で暮らしていくという意識を育むことが、市民の側にも求められていると思います。
 


*写真クラブと「文化振興」

 枚方市にはた
くさんの写真クラブがあります。生涯学習センターなどでの講習会からも、新しいクラブがどんどん生まれています。
 とくにシニア世代のリタイア後の生きがいとして、大きな受け皿になっています。心身両面の健康によく、人とのつながりが生まれ、地域コミュニティーによい影響をもたらしています。
「文化振興」という言葉がありますが写真クラブの活発な活動はまさに文化振興の具体化で、文化振興になにが求められているかを示しています。文化振興のお手本に思えます。

 文化振興は地域振興の一部です。幅広い地域住民の幸福感や健康につながる施策が優先的に行われることで、施策が実りあるものになり、将来に向けてその実りが蓄積されていきます。振興策は一時的なものにならず、蓄積が重要です。

2010.11

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